eBay輸出と国内ネット販売の違い

このページでは、5つの着眼点から、eBay輸出と国内ネット販売の違いを解説していきます。

1:発送方法、2:決済方法、3:税金、4:言語、5:取引規制という、5つの順に解説を進めますので、これからeBay輸出を始める方は、参考にして頂ければ幸いです。

発送方法

eBay輸出もネットショッピング、すなわち通信販売ですから、売れた商品は宅配便を使ってお客様に届けます。

この際に使う発送方法には、DHL、Fedex、国際宅急便(クロネコ)、国際郵便(EMS等)が代表的な方法です。

DHL

現在のeBay輸出ビジネスにおける標準的な発送方法です。国内の宅配便と違って、事前に事業者としてアカウントを契約しておくことで、Webで公開されている運賃テーブルよりも、割安(格安)の料金体系で利用が可能になります。

 事業者といっても法人に限られません。個人でも継続的な取引となる個人事業主なら契約可能です。

Fedex

DHLと並んで、eBay輸出の標準的な発送方法です。DHL同様に、事業者としてアカウントを事前に取得してから利用する仕組みになっています。

アカウントの取得手続きについては、現在は、eBayを主体とするeLogiという窓口を通じて、契約する仕組みになっています。

DHLと比較すると幾分割高にケースもありますが、出荷先の地域によっては、DHLよりも安いことがあります。両者比較しながら、使い分けるeBayセラーも多いです。

国際宅急便(クロネコヤマト)

DHLやFedexとの最大の違いは、窓口の多さです。DHLやFedexは東京都心や三大都市圏に集中しており、地方や郊外では、窓口はほとんどありませんので、集荷に来てもらう形でのお付き合いがメインになります。

他方で、eBayに副業で取り組む場合は、平日の昼間に集荷に来られても対応できないケース多いかと思いますが、窓口に持ち込むことができると、副業でも実践しやすいものです。

この点では、全国に窓口のあるヤマト運輸の国際宅急便は頼りになる存在です。

国際郵便(EMS等)

クロネコヤマト以上に、窓口が多いのが郵便局です。郵便局が提供する国際郵便(EMS等)には、上記3者よりも優れた特徴があります。それは、保険料の安さです。

小包の宅配送料を比較すると、現在ではDHLやFedexの方が安いケースが多いのですが、高額な商品で保険を付ける場合には、EMSの方が安くなるケースもあります。

また、EMSで発送する場合には、輸入国側で関税がかからないケースも散見され、特に欧州の顧客によっては、EMSでの発送を指定するケースもあります。

eBay輸出の決済方法(支払方法)と通貨

決済方法というのは、販売代金の支払い方法・受け取り方法のことです。

eBay Managed Payment

Bayに取り組む場合、米国のeBay、つまり ebay.com でアカウントを取って出品することが通常ですが、この場合は、売上代金を米ドルで受け取ることになります。

受け取った売上代金は、eBayが提供するManaged Payment というシステム内の口座に、いったん入金されます。

その後、eBayの管理画面上で出金手続きをすると、販売手数料控除後の手取り収入が、Payoneerの口座に移動します。

Payoneer(ペイオニア)でドルを円に両替して送金

Payoneerというのは、国際送金と両替を行うサービスで、eBayで販売(出品)を始める前に、Payoneerのアカウントを作っておく必要があります。

Payoneerに売上代金(手取り収入)が入金した時点では、売上代金の通貨はドルのままです。

そのままでは、円建ての銀行口座で受け取れないのですが、Payoneerから出金するときに自動的にドルから円に両替(円転)され、日本人eBayセラーである皆さんの銀行口座に、振り込まれる仕組みとなっています。

eBay輸出にかかる税金・関税

所得税・法人税

eBay輸出を行うことは、通常の事業活動ですので、利益が出れば、個人なら所得税、法人なら法人税が課税されます。

消費税還付

eBay輸出の最大の特徴は、消費税にあります。日本国内で販売を行えば、通常は消費税が課税され、仕入れ税額控除を差し引いて、差額を納税します(課税売上1000万円以下の免税は除く)。

しかし、輸出での売上には消費税が課税されませんので、輸出関連の支出時に支払った消費税は、還付されます。

なお、消費税還付には手続きや、条件がありますので、税理士と相談の上で活用することに留意しましょう。

eBay輸出の関税

関税は、各国政府が自国の産業保護や育成を目的に、輸入品に対して課税する税金です。そのため、eBayでは基本的には輸入者側の責任として、買い手が支払うルールになってします。

具体的には、DHLやFedexなどの宅配業者(クーリエ)が品物を届ける際に、荷物の引き渡しと交換に、関税の支払いを顧客(荷受人)に求めます。

このため、輸出者であるeBayセラーが関税を支払うことは基本的にはありません。

イーベイ輸出で使う英語と日本語

口頭での英会話は不要!自動翻訳で十分です

輸出というと、オンラインや電話でも、英会話が必要だと身構える方もいるかもしれませんが、eBay輸出では、口頭での英会話を使う機会は、ほとんどありません。

もちろん英会話が使える方は、一部のトラブルシューティングの場面で、得意の英会話を用いてスムーズに解決するという機会もありえますが、そういう機会は実務上では稀ですし、画面上のテキストメッセージで事足りることがほとんどです。

基本は英語ですが、日本語表示も可能です

eBayは、海外のサイトであり、顧客の所在国も全世界に跨がります。そのため、国際的な共通語である英語での取引が基本になります。

しかし、eBay輸出の実務で使う英語は、シンプルなものが多く、使う表現も限られていますので、自動翻訳ツールの利用で十分に実践可能です。無料の自動翻訳ツールであるDeepLや、Google翻訳を使って実践する日本人も多いです。

eBayの運営側も、国際的なマーケットとして、一人でも多くの人々にマーケットに集まってもらえるよう、言語環境の改善を進めており、現在では正規のメニューとして、日本語への自動翻訳機能も、実装されるようになっていますので、英語に苦手意識を感じる方でも、安心してお取り組み頂けます。

英語力よりも取組み方へのマインドセットの方が大事

英語への苦手意識を持つ日本人は多いと思いますが、英語のハードルの高さよりも、英語が参入障壁となって、競合が増えにくいところに商機を見出す前向きなビジネスマインドをお持ちの方々が、eBayで成功しています。

私のお付き合いあるeBayセラーの方ですが、大学卒業以来40年ぶりに英語に触れたという方でも、自動翻訳ツールなどで取り組み、十分な手応えある成果を上げています。

eBay最大の特徴 セリング・リミット

セリング・リミットとは?

セリング・リミット(Selling Limit)というのは、eBayの初心者向けの規制です。

具体的には、アカウント取得直後には、3品200ドルなど、限られた数・価格の商品しか、出品できないというルールです。

なぜ、このようなルールが設けられているのか?それは、取引に不慣れな初心者セラーに順応期間を設けて、出荷手続に慣れるための猶予を設定するためです。
もう少し詳しく解説します。

セリング・リミットを設定する目的

eBayは国際取引を想定したマーケットですので、出荷も国際的な運送会社を通して行います。

ところが、国際的な発送は、発送ラベルの作り方などに、国内とは違う特有のコツがあるため、初めての初心者には、戸惑うことが多いものです。

戸惑っている間に、日数が経過して、顧客を待たせるとクレームにつながります。

そこでeBayは、初心者セラーが、数件の取引を行って、出荷手続に慣れ、スムーズな発送ができるようになるための「仮免許」期間を設けました。

これがセリング・リミットという販売規制の精度趣旨です。

リミットアップで解除できる

セリング・リミットは、2,3件の販売実績を作れば、解除可能です。正確に言うと、解除というよりも、拡大です。毎月、販売実績を重ねて、徐々に増やしていくことも可能です。

その他の取引規制

セリング・リミットのほか、eBay輸出において留意すべき取引規制としては、VERO規制や、極一部ですが、顧客が所在する国の政府が設けている取引規制があります。

こうした各種規制についても、留意しながら取り組むことで、スムーズな実践が可能になります。詳細は、別途記事を用意する予定です。

まとめ

以上、eBay輸出と、国内ネット販売の違いに着目して、説明しました。発送方法、決済方法、税金、言語、取引規制という5つの観点があります。それぞれについても、さらなる各論を情報発信していきますので、どうかお楽しみに。